大鯰 沼の泥水 ぐいと干し 

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3.11の大地震で沼の中に地割れが出来たり水門が壊れてすっかり沼の水はありません

毎年白鳥がやってくる時期なのに今年はあの風景は見る事が出来ないだろう・・・

でも住んでいたドジョッコだのフナッコだのは鶴が谷のひょうたん池に避難させたと云う事で

ちょっぴり安堵の胸をおろしたが・・・

                    (去年の与平沼)

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古い顔

     過去語る ことは明日を 生きるため

拝啓 元気で居るかい。。

今日はよい天気で空はからりと晴れ渡り僕の心も晴れやかだよ。

先日三浦半島の先端にある城ケ島で六十五年ぶりの同窓会で会った時はもう驚いたな。

六十五年も前のあの時、僕も君もまだあどけない旧制中学生だった。

せっかく中学に進学したのに毎日塹壕堀や飛行場作りで勉強などしなかったよな。

今は遠い昔になってしまったけれど・・・

君は頭が良かったから将来の陸軍の指揮官となるために陸軍幼年学校を、

僕は身体だけ良かったから海軍乙種予科練習生を受験したな。

進む道は違っていても目指す所は国を守り同胞を守るための志願だった。

合格発表の前にソ連軍に宣戦布告されそして日本は戦いに負けて命からがら逃げて

やっと日本に着いたんだよね。

よく無事に内地に辿り着いたものだ。

そして六十五年以上の年月を経て同窓会が開かれ古い顔が揃った。

でもその数は十人くらいみんな古い顔になってしまったね。。。

敗戦でが根こそぎれきとなった日本を見て口惜しさの涙をこらえて立ち上がり、

戦災の復興に企業戦士となって頑張って古い顔になってしまったんだよね。

丁度今度の地震と津波でがれきとなった光景と似ているんだ。

人生は長いようで、過ぎて見れば短いものだ。

これからの人生もどんな災害に見舞われるかもしれない。

お互い元気で暮らして行こう。

又便りするぜ!!                 敬具

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暮色

空のあかね色が終わり

天と地が濃い灰色に変わる時

ひとりで暮らすのは

寂しすぎる秋の夕暮れ

   *

人間の長い歴史の中で

ほんのすこしの間だったけれど

かけがいのない大切な人と

めぐり会い一緒に暮して家族も出来た

三十有余年がたしかにあった

でも今は・・・もういない

       * 

いつもの年の同じころ夕焼けが落ちて

セピアがあたりを包むとき

ひとりで暮らすのは

寂しすぎる秋の夕暮れ

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復帰するってことは?

(お前たちよく聞けよ!

早く日本に帰りたいのなら知恵を出せ!

ヤミ舟を買って38度線を海路で越えるか、

歩いて陸路を行くかみんなで考えろ!

それとも此処の零下20℃の岸壁で凍えて死ぬか。

知恵を出したものだけを俺は日本に連れて帰る!

落ちぶれたとはいえお前たちは日本人だ。

知恵をを出さない奴は俺は知らないぞ!)

・・・吐く息は眉毛も睫毛凍りつく北朝鮮元山港での光景だった。

私たちは、しばれる埠頭の倉庫コンクリ~トの上にに蓆を敷いて、

いつ来るかわからない引き揚げ船を毎日飢えと虱に悩まされ、

伝染病や凍死した死体をまだ力のあるものが何体も埋葬した。

凍死と伝染病の脅威に怯えた何カ月だっただろう。

知恵もでなければ思考は全くなかった。

その時に聞いた日本人リ~ダの言葉を今もはっきりと脳裏の底にしまっている。

先日復興大臣が宮城県知事を叱り飛ばし、

考えない奴は面倒見ないと恫喝した。

ふと私は六十数年年前の元山港で聞いたリ~ダ~の言葉を思い出した。

被災地の人達はこの大臣発言に抗議した。

でもなんだか似ていないだろうか?

 

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新緑の頃

春の息吹薫る森の都で

始めて君に出逢ったとき

白いブラウスに斜め縞のスカ~ト

胸のふくらみが僕は眩しくて

そっと並木の欅を見ていた。

      ☆

新緑の欅の間から木漏れびが

君の瞳に映ってきらきらと

長いまつげが愛しくて

そっと街角のあかいポストを見ていた。

      ☆

広瀬川は瀬音がして流れ

遠いあの日が甦ったけれど

なにも言わないで逝ってしまった君に

逢いたいと想えば胸がつまって

そっと岸辺の柳を見ていた。

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かもめ

昭和20年8月9日ソ連が突然宣戦布告した。

絨毯爆撃は家を破壊され人命を容赦なく奪った。

市民は恐怖に慄き山奥に逃れ険しい山を彷徨った。

同胞にはぐれ父が爆撃の傷の悪化で失い、

山中に穴を掘って埋葬して更にソ連の追撃を恐れて逃げた。

雨水を飲みリュックの中の米をかじった。

そして日本は戦争に負けた。少年は泣いた。挫折に涙が止まらなかった。

それから2年6ヶ月炭焼き小屋を居住として家族が住んだ。

食料は朝鮮人の畑に忍び窃盗を続け、見つかって半殺しの目にも遭った。

蛙や、蛇、バッタは貴重な蛋白源で、山中の清流で魚をつかみ取りをした。

風呂は勿論入らず、垢が層を作り虱は栄養のない血を吸い、

南京虫は皮膚を食い荒らす。

冬は畑の残り物を拾い集めジャガイモの凍った拾った。

北緯42度東経125度氷点下30℃の世界はすさまじいものだ。

濡れた布は何秒もしないで凍りつき、糞尿はたちまち氷結した。

南京袋を何枚も重ねて防空頭巾の姿は本物の乞食もおよばない。

朝鮮人の家に物乞いにも行った。

アイゴ~ペ~コッパソ、パブチュセヨ~(腹減って死にそうだ食べ物をください)

朝鮮人は親切だった。感謝したがその前に食べ物にむしゃぶりついた。

私たち乞食に日本人収容所に移る事が出来た。

ウオンサン(元山)収容所は港の倉庫でコンクリトの上に蓆を敷いて寝起きした。

私たちを迎えに来た船が沖に見えたとき母は喜びの声を発したが、

外地生まれの少年は感情がなかった。

ウオンサン港を船が離れるときの汽笛がなって、出港した。

見送る人は誰もいなかった。

ただカモメがカゥ~~カゥ~~と私たちを見送ってくれた。

私は戦闘帽子を振って二度と来ることは無いだろうアジア大陸と別れた・

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怒り

雪の日大地が揺れた。

それは突然にして激烈な、

眼がくらみ頭脳の組織が狂い、

複雑な思いが駆け巡り、

天と地がひっくりかえたと思ったのは、

私だけだっただろうか?

    *

庭の雀や烏は激しく泣き叫び、

カケスがあわただしく飛び通う、

    *

自然の恵みで充分に生きて行けるものを、

人間が作り上げた文明は、

もろくも砕け散り

この惑星に住む生命を容赦なく奪い去る。

    *

あまりにも贅沢に慣れ、はしゃぎすぎて

面白くもない世の中を生きるために

人生は楽しくあらねばならないと云う、

価値観だけで生きる人間は、

生きて事は辛苦に満ちたものと、

悟る時が来たのではないだろうか?

弱いものにしわ寄せが来ないために・・・・

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涙もろくて*

夕日が落ちて黄昏て、

そのあとを追うようにセピアが迫って来る。

ひとり暮らしの心が沈んで、

すでに闇の世界を彷徨う。

人の命のはかなさに負けまいと思っても、

涙もろくてぽつりとひとしずく。

         *

もう永遠に朝が来ないような、

信じられない沈んだ心に、

闇の向うから悪魔が笑っている。

そんな夕闇に明かりもつけず、

独り酒が俺を誘う。

飲んで心を紛らそうとしても、

涙もろくてぽつりとひとしずく。

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小鳥が枯れ木で鳴いている、

あの鳥なんて言うんだろう。

おいらは炬燵でまるくなり、

ニャンコも炬燵で鼾かく。

お外はしんしん雪が降り、

あしたの朝は積もるだろう。

         *

去年の今頃何してた?

そんなに変わりはなかったな。

世の中どんどん変わっても、

おいらは昭和の一桁だ。

        *

少年時代を思い出す

雪が積もれば雪会戦、

幼馴染も年老いて、

懐かし昔を思い出す。

       *

冬の野原枯れ草で、

相撲を取ったり転んでみたり

歌を唄って野を駆ける。

そんな野原にビルが建ち、

遊んでいる子はもういない。

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雪です

朝起きたら外は雪だった。

一面の銀世界が広がり

大地は朝日に輝いていた。

      *

思いは飛んで

冬山のテントの中で

肩を組み合って歌を唄い

飯を食った青春があった。

      *

今はその思いだけが、

走馬灯の浮かぶのは、 

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歳を重ね追憶に

生きるあかしだろうか?

      *

雀たちが欅の小枝にまるくなり、

白と黒の墨絵のなかで

お山はもっと寒いだろうと

ぴ~ぴ~と囁いていた。

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