寒中読書三昧

_010 (彼は醜く、威厳もない。みじめで、みすぼらしい 人を蔑み、見すてた 忌み嫌われる者のように、彼は手で顔を覆って人々に侮られる まことに彼は我々の病を負い 我々の悲しみを担った。)・・・・遠藤周作 深い河より

年末から年始にかけて読書三昧を決め込んで、近くに開店した古本屋で10冊ほどの本を買い込んできた。宗教に関する本、大杉事件に関する甘粕憲兵大尉の真相など・・・・・読んで感動し、共感し、そして泣いた。

「深い河、神よ、私は河を渡って、集いの地に行きたい」と言う黒人賛歌から始まる深い河から読み始まった。「わたし・・・かならず生まれ変わるから、私を探して・・・約束よ!約束よ!」と言って妻は夫に言い残して遠くに去ってしまった。過ぎ去った私の体験が、突然甦りフラッシュバックを起し大声で泣いてしまった。同居人の猫が何事かと愕き私の顔を見上げていた。

(諸行無常)と言うけれど、なんと自然の成り立ちは、愛する者も、憎むべき者も平等に取り上げてしまう。諸行非情と言い換えて言い換えてもらいたい気持ちでいっぱいである。

大津の生き方にも、私には共感するものがあって涙の乾く暇がなかった。彼の持っている性格があまりにも純粋で、大衆に馴染もうとすればするほど、彼は醜く威厳がなくみじめでみすぼらしく見られる。性格が純粋であるほど、自分の心に妥協する事が出来ない現代の社会では生きにくい、それだけこの世は矛盾だらけで猥雑なものである。生まれて来た時代を間違えた,否生まれてきたのが間違いだったのかもしれない。

彼が捨てようとした(玉ねぎ?)に又拾われて、彼の性格が(玉ねぎ?)の組織からも受け入れられずに、神父にもなれずインドの(深い河)の町で、貧しい瀕死の老人や老婆を火葬場に運んで(玉ねぎ?)に報いようとしている。大津にはこれしか信ずるものがなかったのだと思う。ガンジス河の奥深い河で彼は死ぬでしょう。やはり生まれてきたのが罪だったと思う。

(深い河、神よ、わたしは河をわたって、集いの地に行きたい。)・・・黒人賛歌

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